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あずき猫

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最初、私は「鈴(すず)」という名前を付けていたはずなんだけど、母が
「黒い肉球が、ツヤツヤの小豆みたいでとても可愛い」と、いつの間にか改名。

拾ってきた時にはボロボロのヨレヨレで、今にも死にそうな状態だった。
治療が効いたのか、持ち前の運が強かったのか、順調に回復。
気に入った場所で寝ころび、髙い場所からラックを見下ろし、
立派に「堂々とした」お嬢様に…はともかく、元気な姿に安心する。

実家では犬猫ともに、夜は私の部屋の、それぞれのハウスに入れていた。
3年前の自分の引っ越しで、どちらも連れていきたかったけれど、
あずきは実は臆病なので、馴染んだ家の両親の元に残していくことに決めた。
荷物を運び出しながら、あずきのハウスだけを取り残していく様で、
自分勝手ながら切なかった。
毎晩あずきに引っ越しの事情を説明したのだけれど、納得してくれただろうか。

今、私はちょくちょく実家を訪ねる。
玄関の戸を開けると同時に、あずきが一番に走って寄ってくる。
かつての私の部屋は、すっかりあずきの部屋になっている。
そして帰り際には、階段の5段目あたりで、じっと座っている。

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