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ひと目惚れの贅沢_その一

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引っ越し話のついでに、もう一つ。

自分の住み処となった空間に、毎年一つ、好きな物をプラスしていこうと思った。
まずは、カップ…ほどよく大振りなマグカップが欲しい。
特別高価なものやアニバーサリー的なものをというのではなく、
普段使いで、好みで、満足のあるものを。

結構しつこく探したが、「ほど好く」が難しい。
大き過ぎたり、小さ過ぎたり、重かったり、厚かったり、
肌触りが馴染まなかったり、掌への収まりがいまいちだったり…。
わりと良いなと思い切って5千円もかけたカップは、二日目で粉々に散った。
どうしてこんなに、行き当たらないんだろうか。

さらにボチボチしつこく探して3ヶ月…ついに。
「わりと」ではなく、こんなにしっくりとくるカップがあったのかと、驚いた。
姿も普通で、特に飾り気があるわけではないのに、
夜、ふと見ると陰影までもが魅力的で、ますます気に入ってしまった。
(そして、落としても、割れなかった)

中身が普通の飲み物でも、気持ち良い唇の触りを楽しめるのは贅沢だ。
時折、好きな銘柄のコーヒーや紅茶のパッケージに、視線が行ったり来たり。
美味しく淹れてみようかな、なんて欲も。

ひと目惚れの贅沢は その2 もあるのだけど、それはまた後日。

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