記事一覧

散歩と後回し

ファイル 134-1.jpg

休みの日は、よく散歩をする。
犬を飼うようになってから、さらに散歩の割合は増えた。

しかし、私のエンジンはのんびり屋だ。
スタートはしていても、身体が動き出すまでの余熱が長い。
普段通りに起きても、散歩はまだ、もう少し、と言いながら12時をまわる。
片づけなどをしていると、太陽は早くも山際に近い!?
ラックもさすがに待ち飽きて、また寝息をたてている。

散歩は春雨をぬい、夕立とはち合せ、台風情報をチェックし、
そして時雨のご機嫌伺い…夕方からは要注意だ。
これから本当に寒くなる!と思うと、早め・暖かい時間帯に出かけるのが吉。
ショートカットにしたラックも、多分その方がいいんじゃないだろうか。
カメラであちこち写して楽しむにも、明るい方が好いな、やっぱり。

三文の徳というほどではないけれど、
早めに動き出すと、自分が楽しむ時間が多くとれるってことだな、よし!
…などと言っているうちに、時計の針は随分遅くを指している…冷えてきたし!
ああ、お風呂がまだだった!
散歩に限らず、後回しは、お後がヨロシクないようで…。

春の芽

ファイル 133-1.jpg

「花を種(球根)から育てる」のは、たぶん…二度目だ。
一度目は幼稚園時のクロッカス。
今日、大きめの鉢に植えたのはチューリップ。

私が小さい頃から、祖父や母は庭と鉢植えで季節の花木を楽しんでいた。
世話をしている姿も見ていたはずだけれど、それはあまり記憶に無い。
そういえば、今年、実家の蘭に小さな白い花が咲いた。
祖父の生前からあった株で、もうずっとヒョロヒョロした茎ばかりだった。
伯母は「なかなか花がつかない種類なのに、よく咲いたねぇ」と言っていたが
母は「なんとなく世話をしてやっていただけ」だったんだとか。
確かに特別な事はしていなかったと思うけど、日当たりを見、水をやり、
…それが母の育て方なのだろう。
実は私は、何年か前にもチューリップの球根をたくさん買い込んだ。
しかし、植えるというそれだけが面倒で、芽が伸びるまで箱に入れっぱなし。
見かねた母が、親戚の畑の道筋にずらりと植えてきた。
やがて花が咲き、かわいい小道になったとお礼の電話をもらったけれど…。

きっと、記憶のどこかに花木を育て、育つ様子が埋もれている。
今度は私の鉢の庭から芽を出し、葉を伸ばし、花が咲きますように。
来年の春先に、白地に桃色のかかった花が見られるよう、世話をして。
品種名は、初桜。

雨の降る日は

ファイル 132-1.jpg

ちょっと何かが物足りない気分になる。
マンションに住むようになってから、それに気付いた。
雨の降る音がしない。

夜明け前から降りはじめた雨の音で目覚める事がない。
雨が連れてくる風の音が通り過ぎることもない。
かなりの土砂降りでも、遠く向こうで聞こえている。
台風の夜でさえ、無事に通り過ぎてくれるのだろうかという心配さえも。

実家では私の部屋は東向きの二階にあり、
台風の雨風が正面から吹きつけ、鉄線の入った厚い窓ガラスを軋ませた。
外の様子を窺っていると、突然の停電で付近一帯が真っ暗になる。
一瞬の不安の後、チラチラと回復し、どこかでホッとする。
雨の音は、そのまま自然の力の象徴だったのかもしれない。

今日も、冬の寒さをつれてくる静かな雨が降っていた。
朝一番に窓を開け、湿った冷たい空気を室内に入れ、雨の音を聞いていた。
屋根やコンクリートに降る雨の、いくぶん硬い音。
雨の降る日は、物足りなくも、わりと好きだ。

ワードローブ

ファイル 131-1.jpg

去年あたりから、ずっと自分には似合わないと思っていた、
はっきりと女性らしい系のレースやフリルがあしらわれた服を試した。
物語の中のおヒメさまや踊り子の衣装のあでやかさに憧れがあったからか、
実はわりと好きだったのねという再発見。
と同時に、どうもONにもOFFにも合わせにくいなという感触も。
そこを工夫して楽しむのがお洒落さんなんだろうけど、そこまでは無いしなぁ。
結局、今のワードローブの中はシンプルめなものが主流だ。
もちろん気に入った物だし、都合も良い。
実は好き…という実感の部分は、スカーフやストールとして残している。

選ぶ基準は、似合うかどうか、憧れていたかどうかとかじゃなくて
居心地が良いかどうかということだったのだな。
そう思うと、服だけじゃなくて…
その合わせにくさというか、変な居心地の部分が自分の中に隠れている。
どこかで、無理に着ているものがあるんだろうな。
はっきりさせれば、処分の方法や座りの良い置き所もあるはず。

ざくざく歩くラックは、ショートスタイルが心地良いのだろうと推測(飼い主)。

花は踊り疲れて眠るのか?

ファイル 130-1.jpg

「ママ、お話きかせて」という童話絵本が、家にあった。
2ページで童話ひとつが書かれていて、毎夜、父が一つ二つ読んでくれていた。
話も挿し絵も気に入った物語は、繰り返し何度も読んでもらっていた。

なかには、あまり好きな挿し絵ではなかったのに、気に入っている話もあった。
摘まれた花たちは、人が寝静まった夜中にダンスパーティーを開くのだ…という。
挿し絵はまさに、くるくると楽しそうに踊る花たち。
読んでもらっているうちに、ページの会場で、本当に踊っているように感じていた。
そして話が終わり、本を閉じると、パーティーはおしまい。

ほんとうに楽しく子供向けの話だったなあと思う。
いまだそれを覚えている、お気に入りの刷り込みにも感心。
メルヘンおばさんと呼ばれる事もあったけど、わりと納得。
スタートはこの辺だとすると、メルヘン歴、長いかも。

写真は、秋明菊 & ホトトギスの、散った花びら。
羽ばたきそうにみえるかな?

そろそろ冬の兆し

ファイル 129-1.jpg

なのに、まるでスイートピーかフリージアのように、
妙にウキウキした香りがどこからともなく漂ってくる。
辿り着いたのは、四季咲きの銀木犀。

辺りを濃厚な香りで埋め尽くす金木犀も好きだけど
この、近づいてでなくては確かめられないような、陽気な甘い香りが大好きだ。

慢性の鼻炎もちだけど、香りは大きな楽しみだ。
屋外に出るたび、どこに、どんな花が咲いているのかの見当をつけて
時間があると、遠回り。

家のすぐ近くに、生姜のような香りの一角がある。
どうも木の香りのようだけど、正体不明で、とても気になっている。

彼方の色

ファイル 128-1.jpg

幸せの鳥の羽根は、なぜ青なのだろう…青に馴染まなかった、子供の私の謎。
後々、青が表すメッセージに「幸せ」という意味があることを知ったけれど
ずいぶん長い間、偽物臭い、薄っぺらな色に思えてならなかった。

私の心を飛ばせるのは、暗くも明るくも光る緑色の羽根
…といえば聞こえが好いが、セキセイインコの羽根だった。
通学路にあるペットショップの店員さんに、かなり迷った末にお願いして、
抜け落ちた尾羽根を2枚ゆずってもらった。
嬉しくて、嬉しくて、両掌の中に包み込んで、家まで走って帰った。
自分のものになったその羽根は、私をジャングルに運び、
アラビアンナイトのクジャクの羽飾りに化身し、
お城の奥深くに隠されたヒスイを映し…始祖鳥の一部だったかもしれない。

この宝物も、一頭目の馬と同じく箱に閉じこめていた。
落胆はしたものの、姿はボロボロになったけれど、まだ残る鈍い光…。
空想の供をし、空を飛び、時間を越えた羽根には、
微かに青が見えたような気がした。
現在から、とても遠くへも繋がっている色だ。

今、輝く羽根は、他のすべての色も映していたのではないか思っているところ。
幸せのメッセージは、その時々で。

あたたかな色

ファイル 127-1.jpg

30代に入った頃、「ピンク系の服を着てみようかな」 と思うようになった。
それまでははっきりした暖色や寒色がなんとなく苦手で、
衣料品も、日用品も、中間色のものを選ぶ事が多かった。
ある意味・ナチュラル、 ある意味・メリハリに欠ける。

苦手だったのは、おそらく
「女の子はかわいらしく、赤・ピンク」、「男の子は潔く、黒・ブルー」というイメージ。
ところが、私の一番好きな色は、黄色だった。
どちらにも、入れない、選べない。
結構困った末に、お決まりの赤やピンクでいいことにするのだけれど、
どうにも馴染まなくて、好きじゃない%が上昇。

やがて色鉛筆や水彩でイラストを描いたり、
まんがコミックスを塗り絵にしたりで遊んでいる時に発見。
ピンクやオレンジに、黄を混ぜていくと、途端に色味が変わる。
紫や青にも試してみる…なかなか好いではないの。
それを思い出した時に、いろんな色を着てみようと思った。

最初に選んだのは、ピンク味がやや強い、ほんのり落ち着いた
サーモンピンクやピンクベージュのニット。
この色は似合うよなと感じると、着ていて嬉しい。
好きな黄色が、かくし味になっている。

ひと目惚れの贅沢_その一

ファイル 126-1.jpg

引っ越し話のついでに、もう一つ。

自分の住み処となった空間に、毎年一つ、好きな物をプラスしていこうと思った。
まずは、カップ…ほどよく大振りなマグカップが欲しい。
特別高価なものやアニバーサリー的なものをというのではなく、
普段使いで、好みで、満足のあるものを。

結構しつこく探したが、「ほど好く」が難しい。
大き過ぎたり、小さ過ぎたり、重かったり、厚かったり、
肌触りが馴染まなかったり、掌への収まりがいまいちだったり…。
わりと良いなと思い切って5千円もかけたカップは、二日目で粉々に散った。
どうしてこんなに、行き当たらないんだろうか。

さらにボチボチしつこく探して3ヶ月…ついに。
「わりと」ではなく、こんなにしっくりとくるカップがあったのかと、驚いた。
姿も普通で、特に飾り気があるわけではないのに、
夜、ふと見ると陰影までもが魅力的で、ますます気に入ってしまった。
(そして、落としても、割れなかった)

中身が普通の飲み物でも、気持ち良い唇の触りを楽しめるのは贅沢だ。
時折、好きな銘柄のコーヒーや紅茶のパッケージに、視線が行ったり来たり。
美味しく淹れてみようかな、なんて欲も。

ひと目惚れの贅沢は その2 もあるのだけど、それはまた後日。

あずき猫

ファイル 125-1.jpg

最初、私は「鈴(すず)」という名前を付けていたはずなんだけど、母が
「黒い肉球が、ツヤツヤの小豆みたいでとても可愛い」と、いつの間にか改名。

拾ってきた時にはボロボロのヨレヨレで、今にも死にそうな状態だった。
治療が効いたのか、持ち前の運が強かったのか、順調に回復。
気に入った場所で寝ころび、髙い場所からラックを見下ろし、
立派に「堂々とした」お嬢様に…はともかく、元気な姿に安心する。

実家では犬猫ともに、夜は私の部屋の、それぞれのハウスに入れていた。
3年前の自分の引っ越しで、どちらも連れていきたかったけれど、
あずきは実は臆病なので、馴染んだ家の両親の元に残していくことに決めた。
荷物を運び出しながら、あずきのハウスだけを取り残していく様で、
自分勝手ながら切なかった。
毎晩あずきに引っ越しの事情を説明したのだけれど、納得してくれただろうか。

今、私はちょくちょく実家を訪ねる。
玄関の戸を開けると同時に、あずきが一番に走って寄ってくる。
かつての私の部屋は、すっかりあずきの部屋になっている。
そして帰り際には、階段の5段目あたりで、じっと座っている。

ページ移動